女性はどうやったら大型バイクに安全に乗れるのか、個人的な考察

GWの後半は、SV650で軽井沢の友人宅経由で北軽井沢のホテルまで行き、そこから渋峠などのツーリングも含めて、無事帰宅しました。合計で600キロくらい走りました。

帰りは久々に気温が低くて、北軽井沢を出るときには3度くらいしかなく、雨もけっこう降っていてそれなりに厳しい状況でしたが、念のために持っていた電熱ベストも活躍し、バイクウェアもブーツも防水対応にしていたので、特に危ないことなく東京まで戻ってくることができました。

そして、つらつら考えるのは、どうやったら、女性が大型バイクに安全に乗れるか、ということです。特に、足つき問題は本当に大きいです。

まず、体格の良い女性で、おそらく身長が165センチを超えてくる人であれば、それほど問題がないと思います。股下が73センチとかそれ以上あるでしょうから、SSのすごくシートが高いものでない限り、ほとんどの大型バイクでちゃんと足が着きますので、立ちごけのリスクが小さいからです。

一方、私は身長158センチ、股下の実測値が69センチですので、厚底でない通常のバイクシューズやスニーカーで安心して立ちごけの心配なく乗ることができるのは、だいたいシート高が750mmくらいまでです。

これを超えてくると、790mmくらいまではそれでもつま先ちょんちょん、あるいは、右足はステップ左足だけつくことでなんとかなりますが、800mm以上はもう、何をどうしても、物理的に足が着きません。

また、ちょっとした操作ミスや、斜め駐輪でグラっと来たときに、フンと踏ん張ってバランスが取れるのはシート高780mm以下、かつ、車重が200キロ以下くらいが限界だと思います。

こうやって物理的な制約条件を考えていくと、それに対応する大型バイクは現行車ではSV650がベストだったので、こちらにしました。Ninja 650とかMT-07も良いバイクですが、デフォルトのシート高が780mmのSV650に比べて、10mmとか20mm上がるだけでも、標準体型女子には致命的なのです。

ほとんどのバイク、ローダウンはできるのですが、もちろんローダウンはせいぜい20-30mmですから、出だしが高いと、ローダウンしてもまだ乗れません。

もともとはリターンライドのときには、もっと不安だったので、大型の中から選ぶときには足付きのいいレブル一択でしたし、ずいぶんなれてきたところでSV650に乗り換えましたが、それでも、最初のうちは相当不安でした。

結局、なんとか乗るために、取っている対策は以下の3つです。

その1 大型バイクの中でも、少しでも、軽量でシート高の低いものを選ぶ

その2 ローダウンやステップの交換、厚底ブーツなど、物理的な対策でできることはできる限りする

その3 それでも足つきの悪さと体重の軽さから支えきれない可能性があるので、スライダーとバーエンドは立ちごけ用のものをつけるし、ミラーやレバーは全部可倒式にして、軽い立ちごけではそのまま動けるようにしておく

大型に無理にしなければいいとう意見もあると思いますが、高速道路で車のスピードに合わせて巡航しようと思うと、特に長距離を走るときには中型以下だと、それなりに疲れます。それが、大型になると、ぐっと楽になるのです。また、最近は中型以下もバイクの大きさが大きくなっていて、シート高も高くなっていて、中型にしても問題は解決されません。

バイクスーツも女性用がすごく種類が少なくて、試しにずっと種類が豊富な男性用のSを買ってみたのですが、ブカブカなので、結局女性用の方だけで買うようにしました。

厚底ブーツもはじめなれなかったのですが、インソールやかかと滑りに対する工夫をしたら、通常の厚底でないバイクシューズと同じ感じで使えるようになってきました。

SV650なら通常のバイクシューズでも乗ろうと思えば乗れるのですが、それでも傾斜が強いところとか、ちょっとした操作ミスでグラっと来たときに、明らかに厚底で両足がつま先の半分以上はしっかりついた方がはるかに安全なので、厚底系しか履かないことにしています。

また、足つきが悪いので、私はUターンは片道2車線以上ないところでは行いません。ハンドルフルロックのUターンでエンストやバランスを崩したときに、バイクを支えきれる自信がないからです。先日のツーリングでも、友人が道を間違えてUターンする場面があったのですが、友人は乗ってUターンしましたが、私は念のため、降りて押してUターンしました。

もともと以前、一度大型バイクをやめてしまったのは、XJ6の給油のときに近所の都心部の狭いガソリンスタンドで滑ったことがきっかけです。

狭いガソリンスタンドなので、主に車のための案内のために場内が大きくカラーペイントしてあって、ペイントしてあるところの地面が洗車場から溢れてきた水で濡れていて、そこがとても滑りやすく、そのような知識がないときに停止させようと思って足をおいたところ、そのままスリップして、足の上にXJ6が落ちてきて、ひどい捻挫をしたのです。

もう、ガソリンスタンドクラスでスリップするのなら、どこでももっと大きな事故の可能性があるから、死ぬ前にやめようと思ってXJ6を手放し、250ccの軽量で足つきの良いバイクに乗り換えたのですが、そうすると高速道路の使い勝手が悪く、結局乗らなくなってしまいました。

今回リターンライドしたときには、同じようなスリップ事故は避けたいので、バイクシューズやバイクブーツはとても吟味して、滑りにくいものしか履かないようにしています。そして、高速道路にも快適に乗ることができないと結局やめてしまうこともわかったので、高速道路の航行がスムーズにできるものに乗ることにしました。

私も免許取り立ての最初の2年間は何回も立ちごけしましたし、体格にあっていないバイクも乗っていましたが、少しずつ失敗から学んでだんだんと、サステイナブルなやり方を見つけていく感じになっていきました。

そして、そして、今月末くらいに、リターンライドの夢だったリッターバイクがとうとう納車されます。レブル500からSV650にしたときにもジャンプでしたが、今回もまた大きなチャレンジです。

SV650もある程度安心して乗ることができるようになるまで、相当細かいカスタマイズをしましたし、訓練もしたので、またリッターバイクも再び、近所の訓練から始めて、少しずつ航続距離を安全に伸ばしていきたいと思います。

結局、小柄な女性でも物理的にできる工夫はありますし、選べる車種もあるので、できる工夫と自分の力量との掛け算の中で、一人ひとりがやり方を見つけていくしかないかな、と思っています。

ぜひ、女性の大型バイクのチャレンジ、心配なのはよくわかりますが、温かい目で見守り、ライダーや市場を育てていただけると幸いです。