新潮45に寄稿された自民党の衆議院議員、杉田水脈氏の
「『LGBT』支援の度が過ぎる」
という論考について、議論が沸騰しています。このことについて、私の意見をまとめたいと思います。
まず、寄稿の内容については
- LGBTは差別されていない
- 子どもを産まないから生産性が低いので支援の必要がない
など、現実と異なる認識を持っていたり、あるいは間違った概念としての生産性の高低を通じてLGBTカップルの支援の必要がないなど、一種の差別を煽るような論調の発言をしています。
この寄稿自体は論外であり、すでにさまざまな論者が何が問題かをしっかり指摘しているので、より興味がある方はこちらなどの記事を見てほしいのですが
【声明】衆議院議員杉田水脈氏の論考「『LGBT』支援の度が過ぎる」 に対する抗議声明 | ニュース | LGBT法連合会
この論考以上に、より大きな問題点を私が感じたことは、
「このような誤った論調を助長しかねない論考に対し、政権与党であり、LGBTの理解促進法を作ろうとしている自民党がなぜ、容認するのか」
という点に尽きると思います。
以下、すでにTweetは削除されていますが、以下の杉田氏の発言は強い問題を感じます。
もし、このことが真実なら、自民党はLGBTの理解促進についてまったく当事者の気持ちを理解していないことになりますし、真実でないのなら、真実でないと否定し、杉田氏を何らかの形で処分すべきでしょう。
実際、自民党にすでにBuzzfeedが公開質問状を送っていますが、回答は非常にあいまいなもので、今回の杉田氏の発言に対する問題意識が大変低いことがわかります。
一方、杉田議員が所属する自民党の二階俊博幹事長は7月24日の記者会見で、「党は右から左まで各方面の人が集まって成り立っている。人それぞれ、政治的立場はもとより人生観もいろいろある」とコメントしていた。
自民党広報本部は24日、書面で次のように回答した。以下、全文を掲載する。
「ご質問の杉田水脈衆院議員の寄稿文につきましては、議員個人としてのものと理解しております」
「党としては、『基本的な考え方』を決定し、パンフレットの作成等を行ったほか、性的指向・性自認に関する広く正しい理解の増進を目的とした議員立法の制定を目指しております」
「今後も当事者の方が社会、職場、学校の場で辛い思いや不利益を被ることのないよう、多様性を受け入れていく社会の実現を図ってまいります」
党内で意見が異なっていいものもあるでしょうが、今回の杉田氏の意見はすでにそのレベルを超えていると少なくとも私は感じますし、このような発言を個人の見解として容認する自民党に大変な失望感を覚えています。
「底が割れる」ということわがざありますが、LGBTをはじめとしたマイノリティに対する人権意識について、もし、上記杉田氏のTweetが真実なら、今回の件は自民党の一部の人達の「底が割れた」といえるのではないでしょうか。