シカゴ大学の山口一男先生のすばらしい論考。「医師の女性割合の低さは主として国家試験受験者の女性割合の低いせいで女性医師の離職率の高さのせいではない」

東京医科大学の入試における女性差別と関連事実 ― 今政府は何をすべきか

https://www.rieti.go.jp/jp/special/special_report/098.html

長年、日本の男女不平等について学術的な研究をしているシカゴ大学の山口一男先生がRIETIに東京医科大学の女性差別問題について、客観的事実をまとめた論考と、政府への要望を出しました。

ポイントは以下のとおりです。

  • 女性割合の調整は憲法違反・教育基本法違反で募集要項に記して許される問題ではない
  • 医師の女性割合はOECD諸国内で日本は最下位である
  • 医師の女性割合の低さは主として国家試験受験者の女性割合の低いせいで女性医師の離職率の高さのせいではない
  • 大学入学における女性差別の撤廃は社会的機会の平等を掲げる法治国家の試金石であり政府の断固たる姿勢の有無が今問われている

ぜひ、具体的には上記リンクの本文全文を読んでいただきたいのですが、とにかく、法治国家としてどれだけ差別なのか、声を大にして言い続けたいと思います。

なお、こういうことを言うと

「そんなに差別、差別と感情的にいうな、みっともない、あなたがそういうことを言うとと損をする

と必ず諭す人たちが出てくるのですが、こういった諭しを

「トーンポリシング」(Tone Policing)

といいまして、多数派が少数派の批判を黙らせるための典型的な手法です。こちらも詳しくは、下記のまとめをご覧ください。

note.mu

トーンポリシングに屈することなく、言うべき意見は言うべきです。