電気自動車のアリアで東海地方から関西地方に向けてぐるっと遠出をしました。4泊5日の旅です。
連合三田会(慶應の同窓会組織。定期的に寄付を募っていて、寄付者の中からたまになにかが当たる)の抽選で当たった1泊2日のホテルのディナー付きの券を使うために豊橋に行ったり、友人が取ってくれたなかなか予約の取れないお店の食事をするために京都に行くためです。
まあ、別に新幹線で行ってもいいし、どうしても車で行きたいのであればガソリン車で行っても良かったのですが、まぁ、時間に余裕もあるし、面白いからアリアで行ってみようと思いました。
そうしたらまあ、思いのほか厳しかったです。まず、航続距離が気温が高い時期の大体7割ぐらいに落ちます。1kWhあたり、普通の時期であれば5キロから6キロぐらい走るのですが、気温が1桁台の前半になったぐらいでだいたい4キロぐらいしか走りません。
なのでアリアの場合満充電ですと、だいたい500km ちょっと走るものが350km ぐらいしか走らないのです。なので、まあ100km から200km 走るたびに充電が必要になるのですがここから先がもっと大きな問題でして、とにかく充電効率が冬は激下がりするのです。
少し古い充電器で30分急速充電をすると11kWhくらいしか入りませんし、最新の充電器でもせいぜい20kWhです。そうすると、50キロから80キロごとに30分充電が必要になりますので、高速道路を使った時に目的地にたどり着くのにだいたいガソリン車の1.5倍から下手したら2倍の時間がかかります。
実際、千葉から豊橋に行くのに、私は4回充電しながら行きました。関西では友人夫婦が自宅に私のために200Vの普通充電器をつけておいてくれたのですが、東京の家はガレージの中で充電をするのでだいたい35時間ぐらいで満充電になるのですけれども、友人の家は高原にあるまあまあ涼しいところなので、しかも屋外充電ですからだいたい昼間でも7°cぐらい、朝晩は0度前後ですので、24時間充電してようやく50% ぐらいでした。満充電にするには50時間ぐらいかかるイメージです。
とにかく冬の時期は航続距離が7割になるし、充電スピードも7割になるので、春や秋の調子がいい時にギリギリ実用車だったものが、冬になった瞬間に一気に実用車の地位から滑り落ちてしまいます。
私は一人旅ですので、まあ適当に色々なところで時間がとられとしても、適当に仕事をしながら移動するので悪くはないのですが、これがカップルや家族だったとした場合にはまあまあ大変だと思います。
アメリカで冬の時期になった時に一気に EV の人気が下がったという記事もいくつか読みましたけれども、実際に体験すると、まあそれはそうかもしれないなと正直感じました。
まあ、とりあえず電気自動車の旅は強制スローライフになるので面白いと言えば面白いのですが、もう少し電池技術のイノベーションがとにかく何か必要だと思います。