定期的に聞かれる、親指シフト入力をマスターすべきかどうかという議論についての今の私の考え方

パソコンからの文字の入力手法として親指シフトというものがあります。私が20歳前後の頃、すなわち、30年ほど前には、ローマ字と親指シフトとかな入力がそれぞれ拮抗していたのですが現代ではほとんどローマ字しか行う人がいません。

なぜなんだかんだ言ってローマ字に収束したかと言いますと、やはりローマ字は汎用性が高いのとキーボード操作について覚えることが少ないからです。

かな入力ですと約50箇所のかなの場所を覚える必要がありますし、しかもアルファベットと異なって端っこの方の押しにくい場所にもたくさん割り当てられています。

親指シフトの場合にはあまり指を動かさないように、ホームポジションのまますべてのカナを入力できるようにしようとして、アルファベットとかな入力のいいところどりをしようとしたのですが、唯一最大の問題は親指シフトが入ってしまって操作がやや面倒くさくなりました。

私は若い頃に覚えたので数週間でマスターしたのですが、親指シフトをある程度歳をとってからマスターしようとすると、特にローマ字入力に長けてる人はローマ字入力のスピードを抜くのに3ヶ月から下手すると6ヶ月ぐらいかかるようです。

それでもではどういう人にとって親指シフトを覚えるメリットがあるかと言うと、私はただひとつだと思っていまして

「職業文筆家になりたい人」

です。結局文字を紡ぐという作業は私達の無意識を意識に変えるところですので、なるべく無意識のまま出力することが嬉しいわけです。親指シフトを一度マスターすると頭の中で浮かんでるイメージがそのまま指を通じて入力されていくので自分が文字を入力するという感覚が実はほとんどありません。

これがまさしく親指シフトが

「指で喋るキーボード」

と言われるようになった所以です。

しかし問題は何かと言うと今文字通り本当に音声入力で喋れば文章になっていきますので、私は自宅以外ではもう親指シフトを使いませんし、親指シフトもすでに音声入力の補助としてしか使っていません。

イメージでいますと、最近は自動翻訳機があるので英語の論文も自動翻訳を通せば読めるけれども、自分でネイティブに読めた方が楽だよねとか、そんな感じです。素人がザクっと論文を読むぶんには自動翻訳で十分ですが職業の人がしっかりと読む場合には英語で読む必要があるのと同じで、本当に文字でお金を稼ぎたいと思ってる人にとってはある程度親指シフトをマスターした方が、書籍やブログの出版に対して有利になると思います。

だから職業作家、特に脚本家や小説家の方は親指シフトの信者が多いのです。

私は一生文章で食べて行こうと思っていますので、親指シフトを手放すつもりはありません。

今迷ってる方はとりあえずエミュレーターを入れてみて試してみてそれで判断してもいいかなと思います。私はやまぶき R を使っています。

 なぜ一生働いた方が良いかということについては、こちらの本を是非ご参照ください。